PM2.5 環境基準 & 測定法
2016-02-22: PM2.5 環境基準および測定法に関する情報まとめページ. 記述項目が肥大化してきたため,SPM・PM2.5 高濃度エピソードページから分割.
測定局機種別分布図をFY2017に更新(2019-08-27).
PM2.5環境基準のメモ
文献
環境省
- 微小粒子状物質に係る環境基準について(告示):
- 平成21年(2009年)9月9日告示.
- 「答申」ページに,別添資料として 微小粒子状物質環境基準専門委員会報告(3分割PDF; 1/3 2/3 3/3) および 微小粒子状物質測定法専門委員会報告あり.
- 上記の 「微小粒子状物質環境基準専門委員会報告」 をまとめるためのPM2.5環境基準専門委員会の 議事録(全10回)も要参照. H21-02-04 から H21-08-24 まで(from 2009-02-04 to 2009-08-24),半年間で10回.
PM2.5測定法に関する個人的メモ
概要
- 環境基準設定(2009年9月)前後の期間で言えば, 微小粒子状物質測定法専門委員会報告 および 長谷川 (2010, 大気環境学会誌), title = (入門講座) 第2講 --PM2.5の測定・分析と実態-- が重要.
-
微小粒子状物質(PM2.5)自動測定機の等価性評価について(公表日: H25-12-13 (2013-12-13)):
- 別紙1: 微小粒子状物質(PM2 5)自動測定機の等価性評価試験実施要領例 = 自動測定機が満たすべき基本的条件(基本スペック)などがまとめられている.他にも,設置場所,電源などについて規定.
- 別紙3: 微小粒子状物質に係る標準測定法と自動測定機の等価性評価の試験方法及び評価方法 = 評価手順に関する具体的な規定.
-
微小粒子状物質の標準測定法と自動測定機の等価性評価結果に関する考え方(公表日: H23-01-31 (2011-01-31)):
等価性試験(H21-22年冬,H22年夏)後に出された文書.
並行測定結果に基づく自動測定機リスト公表後の追加検討事項.
等価性評価試験の再実施が必要となる仕様変更・測定パラメータ変更について列挙.
- 「仕様」関連: 検出部,捕集濾紙,データ処理部の変更など.
- 「設定」関連: 捕集時間,除湿器制御,検出部(設定温度),清浄空気精製ラインの設定変更,など.
- 測定機は,性能向上などの目的で測定条件などに改変を加える事がある.
それらの機種は,主型番は同一であっても,厳密に言うと測定条件が同一とは限らない.
- 以下,私見. 主型番が同一の測定機を使った複数機種のPM2.5測定値があるとする. それら測定機が示す濃度が,(並行測定であるにもかかわらず)著しい差を示すのであれば, 主型番以外にも枝番号(測定条件,オプション仕様装着の有無など)の違いをも 考慮する必要があるかもしれない.
hoge
補足情報
SPM・PM2.5高濃度エピソードから移設(2016-02-22). 内容から言えば,こちらに移動すべきだろうから.
PM2.5 測定機種別空間分布
2017年度(FY2017; update at 2019-08-27)におけるPM2.5の測定機種別空間分布. 一般局かつ環境基準の判定対象局のみを図示. 測定機種コード番号(code=11-18)は, 国立環境研・環境数値データベースの 測定局データ利用説明書 表7 測定機種コード(PDFで7ページ目.H27(2015)年8月版)に記載.
各機種の特徴に関してまとめ:
- code=11: PM-712 (紀本電子工業(株))
- ベータ線吸収方式による計測.線源はC14(半減期が長いため線源交換のサイクルが長い,つまりメンテナンスの手間が減る). Smart-calc 機能により水分量を計算(RHを使う)して計測値から差し引くことで, 試料気塊の除湿をおこなわずに 「乾燥状態での」PM2.5濃度を測定.
- code=12: PM-717 (紀本電子工業(株))
-
ベータ線吸収方式による計測.
日本国内の常時監視局では,使用測定局なし(2013年度,全測定局を探索した結果.checked 2016-02-23
(測定局データ2016年1月版)).
また,同社のwebでも PM-717 は製品ラインナップに入っておらず,販売終了製品だと思われる. 標準測定法との並行試験結果(H21年12月-H22年1月,H22年7月-8月)では,「等価性を有する」とされている (微小粒子状物質(PM2.5)における標準測定法と自動測定機の並行試験結果)).
PM-712 との主な違いは,(1) 湿度調整方法(PM-712: Smart-calc による補正,PM-717: 試料大気のRHを調整), (2) テープ送り頻度(PM-712: 1時間間隔,PM-717: 24時間間隔),のようだ (参照: PM-712 パンフレット vs. PM-717 パンフレット (ExploreDoc内) の比較, PM-717 パンフレットは,現在の紀本電子のwebでは発見できず.checked 2016-02-23). - code=13: FPM-377 ((株)東亜ディーケーケー)
- ベータ線吸収方式による計測. ヒーターによる加熱方式の除湿装置により測定部の相対湿度を一定になるように調整. See 池盛ほか (2017, JSAE)
- code=14: APDA-3750A ((株)堀場製作所)
- ベータ線吸収方式による計測.
- code=15: FH62C14 (Thermo Fisher Scientific)
- ベータ線吸収法による計測. 日本語情報として, (株)東京ダイレックの ベータ線吸収傍示堂濃度測定器 FH62C14 シリーズも参照.
- code=16: SHARP 5030 (Thermo Fisher Scientific)
- ベータ線吸収&光散乱法のハイブリッド計測. 日本語情報として, (株)東京ダイレックの SHARP 5030も参照.
- code=17: MP101M (Environment S.A)
- ベータ線吸収と光散乱のハイブリッド. 日本国内の常時監視局では,使用測定局なし(2013年度,全測定局を探索した結果.checked 2016-02-23 (測定局データ2016年1月版)).
- code=18: 5014i (Thermo Fisher Scientific)
- ベータ線吸収法.線源はC14. 日本語情報として, (株)東京ダイレックの ベータ線吸収モニター 5014i Betaも参照.
全国 | 関東 | 近畿 | 東海 |
---|---|---|---|
九州 | 中国・四国(西部) | 中国・四国(東部) |
---|---|---|
参考: FY2013版の分布図, FY2014版の分布図
PM2.5 測定器の機種数の経年変化
一般局かつ大気環境基準の判定局のみを使用. 測定局データ (ダウンロードサイト: 測定局データダウンロード; データフォーマット: 測定局データ利用説明書) の更新がもっと早ければ,最新データまで反映できるのだが.誠に残念. チェック時(2016-02-23)でも,最新は2013年度...更新が遅過ぎ. チェック時(2016-09-30)でも,最新は2014年度...更新が遅過ぎ.
年度/機種 | PM-712 | FPM-377 | APDA-3750A | FH62C14 | SHARP 5030 | others | (code=0) | total |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
FY2010 | 0 | 2 | 16 | 0 | 18 | 0 | 36 | 72 |
FY2011 | 51 | 105 | 19 | 36 | 24 | 13 | 39 | 287 |
FY2012 | 96 | 182 | 26 | 93 | 23 | 8 | 0 | 428 |
FY2013 | 166 | 288 | 33 | 119 | 27 | 13 | 0 | 646 |
FY2014 | 210 | 366 | 36 | 121 | 25 | 6 | 0 | 764 |
FY2015 | 221 | 385 | 37 | 122 | 27 | 0 | 0 | 792 |
FY2016 | 237 | 399 | 35 | 120 | 28 | 0 | 0 | 819 |
FY2017 | 245 | 401 | 32 | 123 | 29 | 0 | 0 | 830 |
各年度の全国分布マップも追加(2016-09-30; update to FY2017, 2019-08-27).
FY2010 | FY2011 | FY2012 | FY2013 | FY2014 |
---|---|---|---|---|
FY2015 | FY2016 | FY2017 |
---|---|---|
私的メモ (PM2.5 測定器の機種数の経年変化)
使用スクリプト,手順など.プログラムや入力データのパスは私個人の設定なので,他者が見ても意味はない(2016-01-13).
- script: ~/air_pollution/utils/321_count_PM25_device_info.sh
- 入力データは, ダウンロードサイト: 測定局データダウンロードより取得. 記録形式は測定局データ利用説明書を参照 (環境数値データベースより取得).
- 測定局情報ファイルからPM2.5関連要素のみ切り出した stn_info_device_${fyy}_v51.csv を使用.
- スクリプトに年度の引数を与えて手動実行.データ数(観測年数)が少ないので,今のところは自動実行する必要もない.
リンク
hoge
文献 (日本語)
測定方法
2016-02-22: SPM 高濃度エピソードの記載物をそのまま残してある. 前のページに一部でも残すか否か,要検討.
- 微小粒子状物質(PM2.5)自動測定機の等価性評価について
(環境省web,大気環境・自動車対策 > 大気汚染対策 > 大気汚染状況・常時監視関係 以下)
- 自動測定器の等価性評価,
つまり「標準測定法(24-hr フィルタ捕集)と同じ濃度になるように測定できる自動測定器(1-hourly でリアルタイム測定)はどれか?」
を検討した際の資料.
発行日: H25.12.13 (2013-12-13) - 過去の等価性評価の結果
- 自動測定器の等価性評価,
つまり「標準測定法(24-hr フィルタ捕集)と同じ濃度になるように測定できる自動測定器(1-hourly でリアルタイム測定)はどれか?」
を検討した際の資料.
- 伏見ほか (2011, 大気環境学会誌), title = PM2.5実態解明に向けて~~--最近の研究と今後の課題--
- PM2.5 研究,都市域(2節)・遠隔地(3節)におけるPM2.5動態に関するレビュー文献
- 3節: 越境大気汚染にて,遠隔地(本稿では,隠岐,福江,沖縄本島)における測定値(フィルターパック法)について報告.
- また,遠隔地(長崎・福江,沖縄・辺戸岬)で TEOMによるPM2.5測定値をAMS (分級性能: PM1 相当)による測定値と比較. AMSによる質量濃度の和(sulfate + nitrate + NH4+ + Cl- + organics) がTEOMによるPM2.5質量濃度(5年平均値: 14 µg/m3) とほぼ一致.
- 研究手法別でいうと,観測研究(2.1節),レセプターモデル(2.2節),化学輸送モデル(2.3節)についてもレビュー.
- 長谷川 (2010, 大気環境学会誌), title = (入門講座) 第2講 --PM2.5の測定・分析と実態--
- 測定・分析手法に関する解説文献.
- 質量濃度に関しては,標準測定法(2.1.1節),自動測定法(2.1.2節)を紹介. 自動測定法は,TEOM, β線吸収法,光散乱法に言及.
- 標準測定法と自動測定法とで
- 上野ほか (東京都環境科学研究所年報 2008), title = PM2.5 の連続測定について
- TEOM, SHARP 5030 と 標準測定法の測定器(FRM-2000) との並行測定(夏 & 冬).冬期で TEOM はFRMより過小.
- TEOM は加熱(ここでは 30℃)してるので一部が揮発しているためと推測.
解説・解析資料
- 微小粒子状物質(PM2.5)に関する情報: 環境省のweb. PM2.5とは何か(概要のみ),環境基準,注意喚起のための暫定指針など. 都道府県別の現在の観測状況に関してのリンクあり.
- 国立環境研究所と(複数の)地方自治体環境研究所との共同研究(C型・II型研究)報告書:
- メンバー内では,「C型共同研究」,「II型共同研究」と呼称している研究プロジェクト. See also 光化学オキシダントに関するII型共同研究 web (NIES).. 早崎も1期の途中(多分,FY2003以後.記憶が曖昧)から参加.
- これまでに4期にわたり実施.現在は5期目(H25-H27年度).報告書PDFも下記より入手できる:
- 1期(R-184-2004): H13-H15
- 2期中間(R-193-2006): H16-H18
- 2期最終(R-195-2007): H16-H18
- 3期(R-203-2010): H19-H21
- 4期(R-210-2014): H22-H24
更新履歴
更新日 | 内容 |
---|---|
2019-08-27 | 測定局情報ファイルを2017年版に更新. 各年度の全国分布図,FY2014以後を更新(FY2015-2017). |
2018-11-05 | 測定局情報ファイルを2016年版に更新. |
2016-09-30 | 測定局情報ファイルを2014年版に更新. 各年度の全国分布図も追加(FY2010-2014). |
2016-02-23 | 測定局情報ファイル(2013年版)を最新版(2016年1月25日差し替え)に変更. 2013年度の FH62C14 の局数が1減った(差し替え前: 120, 差し替え後: 119). 測定局情報ファイルに不備があったのだろうが,変更局は未確認. |
2016-02-22 | 記述開始日. SPM高濃度エピソードページに記載していたが, コンテンツが肥大化してきたためページ分割. |