NCEP 現業数値天気予報(Numerical Weather Prediction) メモ
NCEP FNL や NCEP GFS と呼ばれる現業数値天気予報データに関する私的メモ.
概要
NCEP Global Tropospheric final (FNL) analyses
- US NCEP/NOAA による数値予報システムを使った,「最終」解析データ
- 気圧面データが入手可能
- 水平格子間隔 = 1.0 x 1.0 (lat/lon); 0.25 x 0.25 (lat/lon, available after 00Z 08Jul2015)
- 鉛直26, 31, 34層.26層: 2016-05-11 06UTCマデ,31層: 2019-06-12 06UTCマデ,34層: 2019-06-12 12UTC以後.900hPaより下層は25hPa間隔.900 - 100hPa は 50hPa間隔,それより上層は時代により変わってる
- (2019-06-12 12UTC以後) 1000, 975, 950, 925, 900 (ip=5), 850, 800, 750, 700, 650 (ip=10),
600, 550, 500, 450, 400 (ip=15), 350, 300, 250, 200, 150 (ip=20), 100,
70, 50, 40, 30 (ip=25), 20, 15, 10, 7, 5 (ip=30), 3, 2, 1, 0.4hPa (全34層)
- 2019年6月12日12UTC以後,鉛直層数や対流圏O3,雲水量(ice cloud, rain water, ...)などが追加.1時刻あたりの要素数が353個から520個に増加.
- WRF等でのモデル入力データに使う際には要注意.鉛直層数が違うと,num_metgrid_level の不一致により処理が停止する.
- 1000, 975, 950, 925, 900 (ip=5), 850, 800, 750, 700, 650 (ip=10),
600, 550, 500, 450, 400 (ip=15), 350, 300, 250, 200, 150 (ip=20), 100,
70, 50, 30, 20 (ip=25), 10, [これより上層は2016年5月11日12UTC以降] 7, 5, 3, 2 (ip=30), 1
- 2016年5月11日12UTC以後,10-hPa 面より上層の5層が追加. 7, 5, 3, 2 (ip=30), 1-hPa; check 2018-05-29
- 追加された要素は6種(u, v, z, T, RH, O3),1-file あたりの要素数が 322個から352個まで増加.
- さらに 2017-07-19 12UTC 以後は land sea coverage (LANDN) も追加,確認時点(2018-05-29)では 1-file あたり353個.
- 変数ごとの利用可能期間は,配布サイト内の Documentaion 以下にてリストをみる事ができる
- NCAR Data Support Section (DSS) の ds083.2 より, 6時間間隔の解析値が wget 取得可能 (ユーザ登録 & パスワード認証必要)
- Jul1999 から提供されているが,1999年は欠落多数.連続データが利用可能なのは, 12UTC 09Dec1999 以後.Dec1999 は,4ファイルが欠落(18UTC 07Dec, 06 & 18UTC 08Dec, 06UTC 09Dec).
- 12Z 06 Dec 2007 以後は GRIB-2 形式での配布. ds083.2 に存在する GRIB-1 形式ファイルは,GRIB-2 ファイルを NCAR DSS が GRIB-1 に変換したもの(ファイル名末尾に "_c" が付加). 現在は GRIB-2 形式のみが更新されている(06Z 06Dec2007 までのGRIB-1は利用可能; checked 2015-11-05)
- 00Z 08 Jul 2015 以後,0.25 x 0.25 degree 版 (ds083.3)の配信開始.
- 2015-01-14 06UTC 以後オゾン(O3; 変数略称O3MR ozone mixing ratio, unit = kg/kg) 等が追加. O3MR は 400-hPa から 10-hPa まで (2016-05-11 06UTC 以前) or 1-hPa まで (2016-05-11 12UTC以後). また,2017-07-19 12UTC からは land sea coverage (変数略称LANDN)も追加. 解析対象期間によって変数の種類や鉛直レベル数が変わるので,使用者は要注意. check 2018-05-29 See also DSS 083.2 documentation
- 2019-06-12 12UTC 以後,全体の鉛直層数増加(追加: 40, 15, 0.4-hPa),オゾン(変数名: O3MR)の提供レベル数増加(対流圏O3も.1000, 850, 700, 500-hPa) . 解析対象期間によって変数の種類や鉛直レベル数が変わるので,使用者は要注意.
NCEP GDAS1
- 元データは 上記 NCEP FNL と同一, NCEP Global Data Assimilation System (GDAS) がアーカイブ
- 大気汚染関連の研究では有名な流跡線解析ツール NOAA HYSPLIT のサイトで利用されている
- 6時間間隔の解析値に3時間予報値を加え,3時間間隔の全球データを保存
- 気圧面データのうち,一部の上層データ(70, 30, 10hPa) が削除されている(全23層; 上端が20hPa面)
- HYSPLIT のサイトでは汚染気塊の起源・輸送先の解析・予測にとり 必要と思われるデータを残したものと推測される (成層圏の等圧面データが一部削除されているのは,大気汚染の解析にはあまり重要でないからであろう)
- データの詳細は GDAS archive information 参照
- Web 上で「ボタンぽちぽち」するような形式のインタフェースは無いが,anonymous ftp 取得可能
- 保存形式は独自フォーマット.かつ月別に week 単位で1ファイルにまとめられている. 「各月の週ごとに1ファイル」なんて,あまり馴染みの無い形式なんだが... まぁ,提供する側の都合だから仕方ないだろう
- 独自形式とはいえ,比較的素直なフォーマット
(フォーマット情報は GDAS archive information 参照) であり,
かつ サンプル読み出しプログラム
(Fortran のみ) も提供されているので,独力でも decode 可能
- 上記サンプルを元に早崎が修正した Fortran & shell-script を公開(予定.まぁ,そのうちに...)
- 00UTC 01 Dec. 2004 以後が保存されているが,2005年は5月(w1, w2)及び11月(w3, w4)で それぞれ2週間分のデータ欠落あり.時間的に連続な解析が可能なのは,事実上2005年12月以後. 欠落期間の詳細は, GDAS archive missing data listing を参照
NCEP GFS
- NCEPが出してる全球数値予報(384-hr fcst; 16-day fcst).FNL とデータ同化システム・モデルは同一.
- NCEP全球アンサンブル予報は, NCEP GEFSおよび GFS Ensemble Forecast Systemを参照. 現在は 20-member (T254L42 (0-8 days) & T190L42 (8-16 days) による16日予報; checked 2015-11-05).
- Lat/lon = 0.25 x 0.25 degree, global (lat/lon: 721 x 1440 grids)
- 解像度を落としたバージョンも配布(下記の配布元1のみ).0.5度, 1.0度, 2.5度間隔も利用可能.ユーザの用途に応じて選択可能のようだ
- GRIB-2形式.384時間(16日)先まで予報.0-240 hour: 3-hourly, 240-384 hour: 12-hourly
- 鉛直レベル(p面, 26-level): 1000, 975, 950, 925, 900 (ip=5), 850, 800, 750, 700, 650 (ip=10), 600, 550, 500, 450, 400 (ip=15), 350, 300, 250, 200, 150 (ip=20), 100, 70, 50, 30, 20 (ip=25), 10-hPa
- オゾン混合比は下限が 400-hPa, 鉛直p速度 & 雲水量(cloud water mixing ratio)は上限 100-hPa,
- 配布元1: GFS products (NCEP Products Inventory)
- Archived period: 直近2週間 (chcked 2015-11-05)
- FTP server (NCEP)
- (FTP address)/gfs.${YYYYMMDDhh}/gfs.t${hh}z.${prod}.${grid}.f${FFF}
- prod=pgrb2 (190-220MB), pgrb2b (170-173MB),
- grid=0p25, 0p50, 1p00, 2p50
- (FTP address)/gfs.${YYYYMMDDhh}/gfs.t${hh}z.${prod}${fcst}.grib2
- prod=sfluxgrb (160-170MB),
- fcst=00, 03, ..., 09, 12, ..., 96, 99, 102, ..., 372, 384 (桁の長さは 2 or 3桁)
- 名前から推測すると,表面フラックス関連か.未確認.
- 他にもたくさんあるが,多すぎるので記述を諦めた.情報を総括しているドキュメントを探すべき(checked 2015-11-05)
- (FTP address)/gfs.${YYYYMMDDhh}/gfs.t${hh}z.${prod}.${grid}.f${FFF}
- 配布元2: NCEP GFS 0.25 Degree Global Forecast Grids Historical Archive (ds084.1)
- Archived period: 00Z 15Jan2015 - current
- filename: gfs.0p25.${YYYYMMDDhh}.f${FFF}.grib2 (200 - 220 MB/file)
- YYYYMMDDhh: Initialized date/time. 6-hourly interval
- FFF: forecast time. 000, 003, 006, ..., 237, 240 (000 - 240 hr fcst; 81 files) & 252, 264, ..., 372, 384 (252 - 384 hr fcst; 12 files)
- GRIB-2形式.384時間先まで予報.0-240 hour: 3-hourly, 240-384 hour: 12-hourly
- 必要要素だけを選択したダウンロードも可能. ファイル容量が莫大になる(例: 1日分の全予報データの合計: 約80GB; 10ヵ月で約24TB)ので,急いでる or ディスク容量に制限ある場合に有効. そもそも,大きすぎて全ファイルのダウンロードが間に合わないのでは?
- NetCDF形式へのフォーマット変換も出来る.
- 配信は少し(約4日)遅れる.確認時点での最新予報値は,18Z01Nov2015 初期値 (14JST 05Nov2015時点). リアルタイムで最新予報値が必要なら,配布元1 (GFS products (NCEP Products Inventory)) を使う. 少なくとも初期値からの遅延が 12-hr 以内(チェック時の最新 18Z04Nov2015)の予報値が利用可能.
- データに関するドキュメント: Documentation (ds084.1)
- 配布元3: NCEP GFS 0.25 Degree Global Forecast Grids Historical Archive (ds084.3)
- 補助的な(auxiliary)データ.変数が限定(T, CLW, CLI, z, RH (or spec. hum.?), p, ice depth/thickness, soil moisture/water content, u, v, など).
- 詳細は未確認.ds084.1 と何が違うのか?
更新履歴
Date | Changes |
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2020-12-17 | 2019年6月12日12UTC 以後,FNL の鉛直層数が増加 (増分: 40, 15, 0.4-hPa面). 前回同様,WRFの実行時に気づく. |
2018-05-29 | 2016年5月11日12UTC 以後,FNL の鉛直層数が増えている (10-hPa より上層,7, 5, 3, 2, 1-Pa面)事にようやく気付いた. 2016年の WRF 通年計算試行時に,鉛直層数が namelist の記述と一致せず real.exe が途中で落ちた事が気づくきっかけ. |
2015-11-05 | GFS や FNL の更新情報の追記. |
20XX-XX-XX | 正確な期日は覚えてないが,GRIB1 の頃から使っていた. MM5 or WRF を遊びで使っていた頃あたりにメモ書きを始めたと思うが. |