気象観測データ (in-situ observational data)
直接観測データ情報のメモ. データ概要,所在やサンプルプログラムなど.
NCDC のサイトが非常に参考になる. 観測手法別ないし目的別のクイックリンクがあるので,必要データを探すのが(比較的)容易である(Checked 2015-01-09).
特に但し書きがない限り,学術研究利用なら無料で取得・使用可能のはず. 詳しくは各データの利用規約を参照.
地上観測
- Global Summary of the Day (FTP); Checked 2015-01-09
- 全球の地上気象観測点,日平均値,1929ーcurrent (準リアルタイム (daily)更新)
- ftp 取得可能
- FTP: Global summary of day
- Web page: Land-Based Datasets and Productsから GSODを選択. 使用条件( WMO Resolution 40 NOAA Polict )への同意が必要.学術研究であれば,特に問題ない.商用利用は要注意.
- GHCN-daily
(doi:10.7289/V5D21VHZ); Checked 2015-01-09
- 全球の地上気象観測点,日々の観測値.daily min/max Temp, 降水量・降雪量,積雪深など,
- Ver. 3 は Sep2012 にリリース.
- 地点数:約90000地点(うち 2/3 は降水量のみ).
- データ更新サイクル: 基本は週1回.約25000地点が1ヶ月以内に更新される
- ftp 取得可能
- FTP: GHCN-daily (FTP)
- NCEP ADP Global Surface Observational Weather Data
- GTS回線に流れている地上気象観測値のアーカイブ (CISL RDA, ds461.0)
- period: Feb1975 - Feb2007, ASCII text (NCEP office note 124 の形式.単純)
- ユーザ登録すれば wget 等で取得可能 (総容量: 約163GB)
- Historical Unidata Internet Data Distribution (IDD) Global Observational Data
- GTS回線に流れている地上気象観測値および高層気象観測値のアーカイブ (CISL RDA, ds336.0)
- period: 4May1975 - current, NetCDF 形式
- ユーザ登録すれば wget 等で取得可能 (総容量: 約200GB,順次更新)
- 気象観測月報(有料)
- 気象業務支援センターが販売. 有料で.1ヶ月でCDが1枚.2730円.1年分だと 32760円.
- くどいようだが,有料で ftp 取得可能(FTPダウンロードサービス参照). ただし,月報に含まれるデータ全てが販売されてるわけではない. しかもデータ種別ごとに別料金なので,結果的に割高.
- 提供期間,料金などはオフライン資料のリスト(PDF)参照
- Univ. Delaware global sfc T and rainfall, clim. & monthly grids (1900-2008)
- データ作成者: Kenji Matsuura and Cort J. Willmott Global Climate Resource Page, Center for Climatic Research, Department of Geography, Univ. Delaware.
- データ配布元: JISAO 内のリンク, ワシントン大. ASCII & netCDF.
- 0.5 x 0.5 degree gridded. monthly, surface temperature and precipitation
- データ作成手順に関する解説文書 (web): Precipitation (v. 2.01) sfc Temp (v. 2.01)
- 研究への利用例: Krasting et al. (2013, JC): 気温と降水量から経験式に基づきNH全域の降雪量を推計. CMIP5 historical exp. の降雪量と比較. CMIP5 モデル群は,現在気候の冬季降雪量を過大評価気味.
- HadEX2; Checked 2015-02-15
- 格子点化した全球の地上観測データ,daily temperature, 降水量,
- いわゆる極端現象の長期変動傾向の解析,CMIP5など将来予測モデルの現在気候再現性の評価などに使われている
- 地点数:約7400地点(気温) & 11600地点(降水).
- 水平格子間隔: 2.5 x 3.75 度,陸上のみ.
- データ期間: 1901 - 2010年
- Web から取得可能
高層大気観測
ラジオゾンデ観測
- The Integrated Global Radiosonde Archive (IGRA)
- 全球の高層ゾンデ観測点,1500地点以上(欠測値・過去の一時期間だけのobsのものも含む)
- データ期間は地点ごとに大きく異なるものの,1970年から現在までをカバー.
- ほぼ観測の生データを提供.指定気圧面の月別統計値もある
- 準リアルタイム更新 (直近データは ./data-y2d/ 以下)
- IGRA の解説論文: Durre et al. (2006, J. Clim.)
- IGRA の "derived" プロダクトの紹介: Durre and Yin (2008, BAMS)
- 欠測値をそれ以外の高度での有効観測データから静力学平衡などの関係式に基づき導出.
ftp://ftp.ncdc.noaa.gov/pub/data/igra
- Radiosonde Atmospheric Temperature Products for Accessing Climate (RATPAC); Checked 2015-01-09
- 全球の高層ゾンデ観測点,指定気圧面(13-lev; sfc, 850, ..., 30 hPa)
- その名の通り気候変動監視が目的なので,時間的な継続性の品質重視で地点選択,全世界で85地点.1958年から現在まで.
- List of std. pressure levels = sfc, 850, 700, 500, 400, 300, 250, 200, 150, 100, 70, 50, 30 hPa
- RATPAC の解説論文: Free et al. (2006, JGR)
- 関連プロダクトとして,RATPAC-A (広域の領域平均偏差.全球,NH, SH, 熱帯,温帯,など) & RATPAC-B (観測地点近傍だけの領域平均... らしい.詳細は未確認)
ftp://ftp.ncdc.noaa.gov/pub/data/ratpac
- ワイオミング大学 Department of Atmos. Sci. > Upper Air > Sounding
- web ページから地点,期間を選択して表示
- 日本の観測点を見たいなら,Region は "Southeast Asia" を選択.
- アドレスを直接指定すれば,wget 取得も可能. 指定項目は非常に素直なので,自作ダウンロード・データ整形スクリプトも容易に作成可能.
- 測定データだけでなく,様々な計算値 (温位,湿球温位,CAPEなど) も同時出力
- 国によっては,指定気圧面のデータのみしか提供していない場合もある (例: 中国)
http://weather.uwyo.edu/upperair/sounding.html
- NCEP ADP Global Upper Air Observational Weather Data, October 1999 - continuing
- NCEP が数値予報のために収集している,全世界の高層ゾンデ観測データ (CISL RDA, ds351.0)
- period: 30Sep1999 - continuing
- 更新は観測から数日〜約1週間ほど遅れているようだ.BUFR 形式
- BUFR 形式を読み出すためのサポート情報もある (私はBUFR対応プログラムを未作成.早く対応したい.記載日: 2013-02-07)
- ユーザ登録すれば取得可能 (総容量: 約176 GB; 2013-02-07 確認)
http://rda.ucar.edu/datasets/ds351.0/
- Japan Radiosonde Observations and Surface Observations, 1961-1997
- 気象庁が観測した高層ゾンデ観測データ (CISL RDA, ds403.0)
- period: 01Jan1961 - 31Dec1997, ASCII text
- ユーザ登録すれば取得可能 (総容量: 約1.07 GB)
- なぜ日本の観測データを取得するために,わざわざアメリカのサイトへ取りにいかねばならないのか... 日本人としては少しなさけない,というのがホンネ.
- (少し話がそれるが) 現在の日本では,データ保存・公開という業務に対する評価が低いように感じる. データ管理業務それ自体と管理知識を持つ人を,もう少し高く評価すべきだと思う.
http://rda.ucar.edu/datasets/ds403.0/
- 高層気象観測年報(有料)
- 気象業務支援センターが販売. 有料で.1年でCDが1枚.2415円.
- ftp ダウンロードサービス,なし.日本で観測したデータなのに,研究者はどうやって入手しろというのだ? 気象コンソーシアムは, 数値モデルの計算値は提供するが,観測データを提供しない. 館則データは不要なんですか? 本当にそれでいいと思っているの? コンソーシアムに参加してる皆さん
- 2010年ぶんで提供終了.月報のデータを使うしかないの? 最近の月報CDを見てないが, 2010年以前の月報CDに記録されてるゾンデ観測は,高層気象年報CDのデータに比べ, 記録されてる鉛直層数が少ない. 指定気圧面と,風・気温などの特異点のみ.
- 観測地点分布は, 高層ラジオゾンデ・WINDAS観測地点(May2015版)を参照. 古い情報(WINDASは2008年時点)の画像: 高層ラジオゾンデ・WINDAS(Dec2008)観測地点
- 2008年版と2015年版を比較すると... 「ウォーリーを探せ」状態だな,こりゃ.正解は高層大気観測地点分布参照.
- RAOBCORE/RICH
- きちんと理解してないが... ラジオゾンデ観測データのバイアス補正に関係するもの,らしい.
- period: 1958 - 2011
- resolution: 10 x 5 degree grid-box
- see Haimberger et al. (2012, JC)
http://rda.ucar.edu/datasets/ds351.0/
ラジオゾンデ以外の観測
昔はロケット観測(綾里)などもあったが... 日本国内では実施されなくなった.
民間航空機による直接観測データ (気温,気圧など) も存在するが, web 経由で自由にアクセス可能なデータは 現時点で存在しないはず (2011-08-21).
- WINDAS
- これはリモートセンシングで得られるデータなので,ここでは概要のみ.
日本国内のウィンドプロファイラデータ.
気象業務支援センターが販売するオフライン資料
(気象月報ないし高層気象観測年報CDなど)に収録.これは有料.
最新のWINDAS観測地点情報は, 気象庁 WINDAS web (ホーム > 知識・解説 > 気象衛星・気象観測 > ウィンドプロファイラ) を参照.
ラジオゾンデ・WINDAS観測地点の同時比較をしたい場合, 高層ラジオゾンデ・WINDAS観測地点 を参照.最新情報を反映していないので要注意. この程度の情報なら,KMLにしてしまう方が汎用性が高そうだ. - マイクロ波放射計
- 情報まとめ,まだ. 上層大気の気温を準リアルタイムで観測できる...はず. 観測に関する制約や利点・欠点について,調査不足. PBLの盛衰とか気温逆転層の詳細観測に使えないだろうか?
高層大気観測地点分布
高層大気観測地点分布図(add 2016-07-06). 2008年版と 2015年版 との違いは下記:
- ゾンデ観測点は減少(20地点から18地点,廃止: 那覇,仙台.変更: 根室から釧路,米子から松江)
- WINDAS観測点は増加(31地点から33地点.増設: 仙台,会津若松)
sonde, WINDAS (May2015) | sonde, WINDAS (Dec2008) |
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upper_air_obs_pos_with_WINDAS.pdf |
upper_air_obs_pos_with_WINDAS_200812.pdf |
更新履歴
Date | Changes |
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2017-03-02 | 高層ゾンデ & WINDAS 観測地点の2008年 vs. 2015年の情報を追記. ゾンデ観測点,これ以上減らないで欲しいなぁ... |
2016-07-06 | 更新履歴や観測地点分布の表を追加. |
2011-08-21 | 本ファイル記載内容のメモにあった最古の更新日. それ以前から一部は記載していたと思われるが,記憶が定かでない(記載時点: 2016-0-06). |